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企業が勝つための本物とは何か?
 3球目である最後の決め球は、いよいよど真ん中に投げます。

 企業がシェアを広げてゆくためには、企業自身に本物の実力が備わらなければなりません。個人に帰れば、本物とはプロフェッショナリズムを持ち、望む結果を出せることでしょう。仕事を進める手順にPlan、Do、See(あるいはControl)があります。それにCheckを加えたりします。個人がこのサイクルを廻し切れば良いのですが、実際の実務では分化が進み、PlanとDoを担当する人、SeeとCheckを担当する人などがいてさまざまです。Planがなくても、実際に行動しなくても、See(Control)とCheckを担当することは可能です。本物は何かを考えるとき、この辺に現実としての難しさがありそうです。

 太陽電池の実験をしています。JPEA(太陽光発電懇話会)によれば、2010年に設置される太陽電池は、現在のおよそ50倍を越えることになります。成長する膨大な市場だし、この市場で参入できる商品があれば、大きなビジネスを約束されます。しかしながら、なかなかPlanとDoは大変です。温度、電圧で評価を進めたら、電流の評価でなければ意味の無いことが分かりました。自分でオペアンプの回路を設計し、プリント基板を作り直し、データの取り込みのため、マイクロコンピュータのプログラムを変更します。
 夏が終わるまでにと思い実験を進めれば、突然の雨で装置が濡れ、電気で腐食を起こして回路が切れるなど事故を起こします。それでも何とか、データが採れました。次はSeeとCheckです。夏の間にROI(発明登録申請)を書こうとすると、他薦自薦で発明者にいろいろな方の名前が挙がってくるのには驚きました。これが、わが社の新しい文化・体質なのでしょうか。結果として発明者を譲ることはやめ、断固私がなることにしました。

 昼休みに、普段の運動不足を解消するため、本社を出て外を散歩しています。本社から5分ほど歩いた所に建設中の場所があります。これから家を建てるのでしょう。場所は道路に面しています。ところが、壊される前の建物が思い出せません。散歩で以前に見ていたはずです。どんな建物がどんな風に建っていたのでしょうか。ふと分からなくなります。人に例えれば、ビジネスの基礎を築き、活躍して今日を作った一角の人でも、次のステージに移行すれば、やがて忘れてしまいます。建物は建っている間は、存在感があり役に立ったのでしょう。
 ところで、建物は誰が作ったことになるのでしょうか。大工さんですか。施主さんですか。ゼネコンですか。ビジネスも同様です。基礎は誰が築いたことになるのでしょう。多分、初めに計画を立てて、実行に移した人ではないでしょうか。

 何かあったときに、「話し合えばわかる」などとよく聞きます。テレビ討論の番組で、17歳の少年問題について民主党の若い女性議員が、問題を起こす生徒と先生の間でよく話し合うことが必要だと説いていました。司会者が教育専門家に意見を求めると、彼は「この問題は、話し合いでは解決しません。話し合いは、相手に支配(Control)を求める行為だからです」と言ったことが、私には印象的でした。新進気鋭の女性議員に多くの時間を割いてしまいましたので、それを言った教育専門家からは、ならば、どうすれば良いかを聞くチャンスがありませんでした。
 教育を考えるとき、私には良くしゃべる議員さんより、彼の方が本物だと感じられました。多様化が求められるなかで、企業がシェアを伸ばすためには、これからの人材は、声の大きさや調子の良いパフォーマンスでリーダーシップを取ってゆくTV時代から、IT革命を迎える時代では、企画(Plan)と行動(Do)ができ、そして結果が出せる本物志向に移行することが必要ではないでしょうか。
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