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タイトル  幹部の蓄財
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  幹部の蓄財
 読売新聞には、『正恩氏「一歩も譲歩しない」非核化で米けん制か』と題して、朝鮮中央通信によると、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は、父・金正日(キムジョンイル)総書記の死去から17日で7年となるのに合わせ、遺体が安置されている錦繍山(クムスサン)太陽宮殿を訪れた。党幹部を引き連れた正恩氏は、「一歩の譲歩もなく総書記の構想と念願を最後まで実現するために力強く戦っていこう」と呼びかけた。とある。

 とあるのは、正恩氏の側近の崔竜海(チェリョンヘ)党副委員長らが新たに米国の制裁対象に指定されたことについての反発とされる。これを解釈すると、共産党幹部は、アメリカに個人で財産を持つ。それを制裁対象にされた。そこで国民をダシに、情報統制で何も知らない国民を使って、呼びかけをする。そういう事かのか。

 そう言えば、中国も、同じだな。中国の特権階級は、安全に資産を海外に持ち出すために租税回避地を利用しているとされる。特権階級とは、共産党員の事を言う。0.4%の幹部が、富の70%を所有しているとされる。その幹部も、さらに上の幹部から、疎まれれば、財産どころか、命も危ない。何せ、憲法の上に党を置く共産党では、法治国家ではなく、人治国家だからだ。法律に何が規定されていようと、幹部が言えば、それが法を超える。共産党国家とは、そんな社会だ。金を持って、何時でも国外脱出できる準備は、特権階級の常識なのかも知れない。

 前首相だった温家宝氏が2000億円程度の蓄財。収賄や横領の罪に問われている薄熙来(はく・きらい)被告が、5000億円の蓄財。それで、収賄などの罪で告発された周氏が、日本円でおよそ1兆9000億円の蓄財。今を時めく習主席が5兆円の蓄財をアメリカで指摘されている。これら蓄財は、海外にと言う事になっている。

 周氏が、習主席から収賄などの罪で告発された。習主席の5兆円を上回る力で蓄財を果たせたなら、今度は逆に敵対する勢力として、習主席を糾弾できたかも知れない。ひとえに、今一歩、力が及ばなかった。そう言う事でしょう。

 こうした巨額のお金を、収賄などの罪で習近平側は、告発する。だが、果たして収賄で本当に可能なのだろうか。権力の座に就き、巨額の蓄財ができる期間を10年としてみよう。1兆9000億円と言うことは、1年で1900億円だ。1年の365日で割れば、1日に5億2千万円を蓄財しなければならない。しかも切れ目無く。5億円と言えば、3億円事件が、ジュラルミンケースで3つ分だから、ジュラルミンケースで5個分を毎日運ばなければならない計算になる。

 収賄とは、わいろをもらう事だ。陳情に来た案件に対して、わいろをもらう。お菓子折りの箱に、札束を忍ばせて、陳情に上がる。それを100万円としてみよう。5億2千万円とは、それを毎日欠かさず520回行う。1人3分の面接として、26時間必要だ。次に、箱からお札を抜いて、ジュラルミンケースに収める。それが毎日5個分たまる。無理無理、収賄では、そんな巨額なお金は貯まらない。

 そんな巨額なお金がたまるのは、法の上に党を置く共産党だから可能なのだ。幹部の言葉が、法を超えるから可能なのだ。あの土地は俺の物と言えば済む話だ。そこに住む人々を追い出し、開発する。それにはいくらか時間はかかるが、巨額の金を収得するのに、問題はない。

 国民には真実を隠し、「共に戦おう」などと言って、騙す。耳を澄ませば、日本の社会でも、あちこちで聞こえる言葉だ。中国の幹部をお手本とする連中の声だ。
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