「後悔しない生き方」マーク・メチニック 弓場隆(訳)は、人生の後悔に関しての本だ。誰もが何らかの後悔をしながら生きている。その後悔は死ぬまでついてまわることがある。後悔しない生き方を始めるのに最適な時期は今である。では、後悔とは何か? 後悔とは、すべきでないことをしたことと、すべきことをしなかったことで、どちらも不幸、失意、自責の原因になる。つまり、後悔とは、自分の振る舞いがもたらすネガティブな感情のことだ。重要なのは、意思決定の基準として次のふたつの質問を自分に投げかけることだ。●もしそれをすれば(または、しなければ)、後悔することになるか?●もしそれをすれば(または、しなければ)、後悔を避けることができるか? 後悔は間違いと同じではないということだ。間違いからはさまざまなことを学ぶことができるのだから、間違いを犯したからといってそのたびに後悔する必要はない。
明確な目的がわかっていないなら、人生を軌道に乗せることは難しい。ビジョンを実現するうえで障害となるものに意識を向けるのではなく、その障害を乗り越えて成功するにはどうすればいいかを考えよう。今までの人生で心の中の声に耳を傾けなかった結果はどうだったか?今までの人生で心の中の声に耳を傾けてうまくいったことは何か?人生の目標が他者の承認を得ることだけになってしまうと、個性を発揮することができなくなる。自分らしさを発見し、個性を発揮する勇気を持てば後悔せずにすむということだ。自分の心の内を言葉で伝えなくても察してもらえると思ってはいけない。自分の気持ちを打ち明けて、相手に事情を知ってもらおう。どんなに用事が多くても、後悔せずに生きたいなら、いちばん大切なことを優先しなければならない。「人生でいちばん大切なことは何か?」といつも自問し、それを優先しよう。
生まれつきの性格を変えるのは難しい面があるが、毎朝、一日のスタートの切り方を変えることは簡単にできる。新しい日を歓迎して、それがどのように人生観を改善するかを体験しよう。人間関係を維持するためには、時間を割いて定期的に連絡をとらなければならない。相手と最後に話をしてからどんなに長い年月が経っていても、始めるのに遅すぎることはない。今この瞬間を最大限に活用する方法を考えなければならない。無計画に時間を過ごしていると、何も成し遂げることができず、いずれ後悔することになる。人生は1度きりだ。今日から精いっぱい生きよう。毎日を最大限に生きよう。記念すべき瞬間に見る、聞く、感じることをすべて心に焼きつけるのだ。人生の素晴らしい瞬間を心に焼きつける努力をすれば、それを忘れて後悔することはない。あまりにもモノに執着しているので、モノとの関係を整理してバランスのとれた見方をする必要がある。よく考えてみると、私たちが重要だと思っているモノの大半は、本当はそれほど重要ではないのかもしれない。
うまくいっていないことをやめると、創造的で生産的なエネルギーがわいてきて後悔から解放されるということだった。多くの人にとってこうした「to-doリスト」の最大の問題は、項目をたくさん掲げすぎることだ。多くのことを下手にするより、ひとつのことを上手にするほうがいい。さまざまな心配の種を探していたのだ。後悔は強い力で私たちを縛りつける。だから、その呪縛から自分を解放する方法を学ぶ必要がある。自分の運命に対して絶対に後悔しないことだ。あなたは、自分が不利だという現実に屈して後悔するか、自分の強みを生かす創造的な方法を探し求めるか、どちらを選ぶだろうか?子どもだけでなく大人も哀れみのゲームに興じる傾向があることに気づいた。被害者意識を持つ大人は、自分が損な役回りを演じさせられていると感じ、絶えず不平を言う癖がついている。自分が不平を言っていることに気づいたら、すぐにやめよう。あなたはそういう有害な人を避ける必要がある。
リスクをとれば、成功するチャンスがあるということだ。どんな場合でも、やってみなければ、うまくできるかどうかわからない。失敗のリスクを避けるのではなく、成功する可能性に賭ける習慣を身につけよう。人はみな、思っている以上に大きなことを成し遂げる力を持っている。最終的に後悔しないかどうかは、自分を心から信じ、自分を徹底的に試せるかどうかにかかっている。大きな困難に直面したら、心の中で抱いている限界や恐怖を乗り越える能力を持っていることを思い出そう。慣れ親しんだ環境で今までと同じことを続けていても人間的成長がなく、後悔の原因になるだけだという。恐怖と正面から向き合うことは、自分をよく知り、成長を遂げ、行動の変化を促すための唯一の方法だ、とティムは主張する。安全地帯からの脱出に挑戦することは、自分をよく知って過去の後悔を乗り越える機会になる。障害に直面するたびに、目標を見失わずにそれを乗り越える最善の方法を見つけなければならない。障害は、決意と忍耐と意志の力の試金石である。自分が今いる場所で率先して多様な文化への理解を深めることもできる。偏見や先入観を捨てて、国際交流を通じて異文化を肌で感じとり、閉鎖的な意識を克服して後悔を未然に防ごう。人生で後悔しないためには、思いつきでやって試行錯誤を繰り返すよりもメンターに学ぶほうがいい。メンターは後悔しない生き方を教えてくれる存在なのだ。いろいろなことを学べそうな人を見つけ、指導してくれるように頼むのである。たんに違っているというだけで人を拒絶するとき、私たちは相手の尊厳を否定し、自分の人格的な欠陥を露わにする。さらに、相手の素晴らしさを知る機会を失うことにもなる。
その人をあるがままに受け入れるという選択をし、その結果として生じるかもしれない不満を受け止める覚悟ができているからだ。人を無条件に愛するためには、寛容、忍耐、献身、受容が必要になる。もちろん、一方的に利用されてはいけないので、お互いに相手を信頼して尊敬することが重要だ。本当の許しとは、相手にやり直しの機会を与えることで、それは私たちの心の中にある思いやりの気持ちだと思います。私たちは自分にもやり直しの機会を与えるべきである。人生でどういう行動を選ぶか迷ったら、正しいことをするということです。正しいことをするというのは、人生のあらゆる分野で自分の決定に責任を持つということである。自分たちの都合ばかり優先していることが情けなくなり、それがこの件について後悔している原因であることに気づいた。自分のことよりも相手のことに視点を移そう。世の中をよくすることは、善意の力を発揮することである。そうした簡単なことから始めていけば、その分だけ世の中がよりよくなる。
これを読んで思う事は、一種の啓発書かも知れない。後悔しないと言う目的をもって、書かれた本と言う事になる。後悔と反省は違う。失敗したら反省して、次に繋げばよい。だが、後悔は、それがそう簡単には行かない。そこが違う。失敗を恐れて、やらない、それが後になって後悔へと変質する。どちらかと言うと、自分としては、やってしまった後悔よりも、やらなかったことへの後悔が多い。残る人生の参考としよう。そんな、本だった。