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タイトル  久々にZ80のプログラムをいじった、 その4
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その3では、Super Aki を使って、ROMにいちいち書き込むことなくプログラム開発を行える環境を構築した。そこで分かった事は、ハードウエアを使ってのフロー制御は、MAX232N を使って行った方が良さそうだという事だ。そこで、Super Aki ではなくて、AKI-80 にそうした回路を追加するために、実に久々だが、プリント基板を起こして見ようと頑張ってみた。

回路図自体は、ICメーカの参考回路をそのまま使う。コンデンサーの定数だけが注意点となる。プリント基板を作るには、まずは、回路図からと言う事になるが、昔作ったのは、10年、或いは20年前かも知れない、ずいぶん前の話で、透明なフィルムにサンハヤトが出していた擦って転写するシールを使って、マスクを描く。それを感光基板に貼り付けて、露光、現像、エッチング、穴あけと言う段取りを踏む。今は、そうした工程は取らないという事らしい。

で、今はと言うと、KiCADを使って回路図を描き、そこからプリントパターンに展開して、業者に発注と言う段取りだとされる。KiCADなどと言うソフトは使った事が無い。そこで、YouTubeを漁って、使い方を覚えた。ステップごとにストップと再生を繰り返して、確認する。今度は、自分でトライすると、違いが出て来る。そこで、またYouTubeを漁る。そんな事の繰り返して、何とか使えるようになった。だが、たかがIC一個の為に、業者に発注は大げさだ。作ること自体に面白みを感じているので、発注はしない。

そう言えば、昔使った事のあるPCBEと言うソフトが有るはずだと。探して見るとちゃんと健在だった。このソフトは、いきなりプリントパターンを描くソフトだ。直感的で、何も覚える様な難しさは無い。これを使ってパターンを描いてみる。線幅を0.8mmにした。こうして、プリントパターンが出来上がった。KiCADかPCBEか、どっちを使うか。ICを一個、ちょこちょこ修正が入るプリントパターンには、どうやらPCBEに軍配が上がる。

次に、このパターンを使ってプリント基板を作るのだが、ネットを漁ると、サンハヤトは値段が高い。ドライフィルムを使うのは安いと有る。試して見ようではないかと言う事で、AMAZONからドライフィルムを買う。品物は、「AMONIDA 携帯型感光性ドライフィルム」と有り、30cm幅で5mも有る。これが、1556円で入手できた。基板は、同じくAMAZONから、「Aoje-Link片面銅張PCBラミネート回路基板 150x100x1mm 10個」を1792円で買う。

材料が揃ったので、PCBEで描いたパターンをインクジェットプリンターでOHPフィルムに印刷する。それを原稿として使う。銅板にドライ感光フィルムをラミネートする。まずは、ラミネータを使った。ネットには、何回か通すと良いと有ったので、8回位連続して通した。作業場所は、雨戸を閉めて、フィラメント電球の下で行い、一応、感光しないように努めた。問題は、ラミネート時に空気の泡を巻き込んでしまい抜けない事だ。そこで、今度は、ラミネータを使わず、ゴムスキージーを使って貼り合わせてみた。空気の泡は、完全に抜けないものの、まあ、ましな仕上がりとなった。

ネットを漁ると、ホットプレートの上でとか、水を使ってとか、やはり、空気の泡対策が、この方法の肝のようだ。まだ試してはいないが、ゴム輪を付けた洗濯ばさみで四隅を挟んで伸ばしながらゴムスキージーで張り合わせるのが、良いかも知れない。

さて、プリント基板にドライフィルムを貼り付けたので露光に入る。これには、昔使ったサンハヤトの露光用の蛍光灯が有ったので、それを使った。露光時間は、35秒でちょうどよかった。露光したら、重曹で溶かしてパターンだけ残す。


エッジングは、酸化第二鉄を使わず、塩と100円ショップのクエン酸、オキシドールを2g,4g,1本を混ぜてエッチング液とした。温度は、電子レンジで30秒ずつかけ、様子を見ながら温度を40度にした。エッチングムラが出来ないように、ふでで、プリント基板面を撫ぜながら進めた。



出来上がったプリント基板を拡大すると、いろいろな問題点が見える。まず、①エッチング時間の不足か、あるいは、基板の品質問題なのか、筋状の銅が残り、導通を確認した。



次に、②泡の跡は、当然にして、銅箔が切れて無い。③家庭での作業の為、フィルムが静電気を帯びた時、繊維状のごみを引き付けた為か、そこもパターンが切れている。



ものすごく歩留まりは悪いが、何とか作った基板がこれだ。良い所は、フィルムラミネートを失敗しても、金タワシで剝がして、何回でも試せるところだ。まあ、小さい回路の基板作りには、良いかも知れない。


出来上がった基板に部品を取り付け、Aki-80に組み込む。





例によって、取りこぼしが起きないかをテストする。問題は無さそうだという事を確認した。
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